無事終了
北半球で最大・最古のアオサンゴ群落で知られる沖縄県石垣島・白保のサンゴ礁に再び危機が迫っています。稲嶺県政によって設置された新石垣空港建設位置選定委員会は、3月11日、まったく議論を深めることもなく、半年足らずの話し合いでカ ラ岳陸上案を新たな空港建設地として強引に最終選定しました。
このカラ岳陸上案は、陸海一体となった白保サンゴ礁生態系のど真ん中に新空港を建設する計画案です。海の直接的な埋めてこそないものの(誘導灯は海上に設置されます)、高さ30メートルもの巨大な滑走路が海岸林を踏み倒し 、渚ギリギリまで迫ります。
大土木工事による赤土の大量流出や広範囲にわたる地下水脈の分断は白保サンゴ礁生態系に取り返しのつかない大 きな影響を与えるものと考えられます。さらに陸上部分の地形改変は、ユニークな海中景観とともに、訪れる人々を魅了している陸上部分、特に美しい自然海浜の優れた景観を完全に消失させます。
愛知万国博や吉野川可動堰のように自然環境に配慮しない公共事業が頓挫の憂き目をみている中、今回の決定は時代錯誤もはなはだしいことと言えます。このような暴挙を許しては20年間の私たちの白保の海を守る闘いはいったい 何だったのかと問われましょう。残念ながらWWFJ(世界自然保護基金日本委員会)は「条件つき容認」という苦渋の決断をしました。しかし私たちは、今後も白保のサンゴ礁生態系を後の世代に健全なまま残していくために、このカ ラ岳陸上案の白紙撤回を求めてあくまで闘うつもりです。多くの皆さんの参加を強く呼び掛けます。
相変わらず行政は、環境アワセメントを行うつもりであり、県内の環境保護団体は、
環境アセスメント実施後に建設位置を選定することなどを求めてます。